2019-01-10
[0092] オープンイノベーションのすすめ
明けましておめでとうございます。
年末年始はゆっくりと休めましたでしょうか。
今年は新元号を迎えて新たな時代へと変わりますが、皆さまも更なる発展の年につながることを、心よりお祈りいたします。
今年最初のコラムは、コラム[0028]等で述べた21世紀のマーケティングの特徴の一つである、「オープンイノベーション」について述べたいと思います。
オープンイノベーションは、異業種企業同士のコラボレーションを表しますが、背景には VUCA(*1)や発展スピードの加速化、ビジネスモデルの複雑化、業界構造変化等の企業の取り巻く環境の変化により、自社単独で全てを賄うことができない時代を既に迎えていることが挙げられます。
そこで、「異業種間協力によって新たな価値を創造する」という発想が生まれ、開発スピードの加速化、投資コスト低減、ビジネスの失敗リスクの低減を図るようになりました。
(ちなみにオープンイノベーションの反意語は、クローズドイノベーションと言います。)
確かに私の友人たちも、「一つの会社で20年以上働いていると意思決定をする機会は増えたが、それが本当に正しい判断なのかが逆に分からなくなることがある」と言います。
「自社の常識は世間の非常識」なんて言葉もあるくらいですし、各企業の文化や習慣が良くも悪くも身に染みてしまっているのも事実です。
そのような環境下で、イノベーションを生み出すというのは非常に苦しい。
大企業なら様々な分野での技術や情報の蓄えがまだありますが、中小企業はリソースの制約からそうもいきません。
ここで一つ日経リサーチ社のデータを紹介します。
<イノベーション推進の体制と取り組み〜研究機関との人事交流など社外人材も活用>
(18-4-23付 日経リサーチ)
https://www.nikkei-r.co.jp/column/id=6696
昨年秋に同社主催セミナーへ参加した際に紹介されたデータで、調査実施時期が14-16年と少し古いのですが、イノベーション推進のための取り組み(複数回答)として、約600社にアンケートを取った結果、第一位は「外部人材の活用」で45.5%だったという点は、私も少し驚きました。
一方、P・F・ドラッカー氏の言葉を借りますと、
「企業の目的が“顧客の創造”であることから、企業には二つの基本的な機能が存在する。
すなわち、“マーケティング”と“イノベーション”である。(*2)」
言い換えると、企業が持続的発展を遂げるには、「マーケティング」と「イノベーション」が欠かせないとも言えます。
年初にあたり、2019年の抱負や目標を定める中で、「今年は従来と異なる新たなチャレンジ年」といったテーマもあるかと思いますが、このオープンイノベーションについて、具体的なアクションを検討してみてはいかがでしょうか。
*1: VUCA: 変動性(Volatility)、不確実性(Uncertainty)、複雑性(Complexity)、曖昧性(Ambiguity)の略語。
*2: 「経営の哲学」 ダイヤモンド社 (2003年)
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