2018-08-06
[0073] 1対5の法則
今回はマーケティング分野での豆知識の一つである、1対5の法則について紹介したいと思います。
先に意味を述べますと、「一般的に新規顧客獲得コストは、既存顧客維持コストの5倍かかる」というものです。
ただし、この法則は理論や数式で表されたものではありませんので、一つの目安として認識しておけば良いかと思います。
開拓と言えば自社にとって未知の市場ですので、まず事前調査や分析で時間と労力を必要としますし、過去の実績データが通用しないこともありますので、気づきと学習によって手探りしながら販売手法を確立していかなければなりません。
一方、既存顧客には自社の認知と共に主にリピート購買が期待できますので、圧倒的に販売効率が良くなります。
更に産業向けの場合は、導入実績や長期安定性等の理由から、開拓によって結果が出るまでには相当の時間もかかることは間違いありません。
特に新方式や新原理を用いた工業製品の投入となると、私自身の開拓経験も含め、市場に広く認知されて一定の評価を受けるまでに10年かかると考えた方が良いと思います。
もちろん昔に比べれば情報伝達速度が圧倒的に早まり、自らの情報発信も非常に簡単にできるようになりましたが、その分、情報に埋もれてしまう確率も非常に高くなったことから、10年という期間は今も昔も大差はないと考えます。
したがって、産業向けの新規開拓では、資金やコスト、人的リソース、開拓方法に加え、時間も相当にかかることから、それなりの慎重さと覚悟が必要です。
つまり、短期・中期的には既存顧客維持へと集中し、新規開拓では少なくとも5年以上といった長期的な視点を持った上で、じっくりと腰を据えて行っていく必要があると考えます。
そして、この開拓期間を少しでも短くするためには、昔からのベタな方法ですが、ターゲットを絞った上でのサンプル等の無料配布や、トライアルを大々的に実施するしかありません。
----------------
<関連コラム>
[0074] 5対25の法則
http://www.takumi-marketing.jp/column.cgi?id=76
Copyright © TAKUMI Marketing Office, All Rights Reserved.