2018-01-09
[0046] 課題の発掘力と探求力を養うことの重要性
明けましておめでとうございます。
年末年始は充実した時を過ごすことができましたでしょうか。
今年もよろしくお願いします。
18年最初のコラムは、ダイソンに関するニュース記事で幕を開けたいと思います。
<ダイソンは「課題発見力」を徹底的に鍛える 英ダイソンの頭脳拠点に潜入(前半)>
(17-12-15付 日経ビジネスONLINE記事)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/120600509/
記事では技術者の心得について述べられていますが、マーケティングにも密接な関係がありますので、この点を述べます。
創発や変革では、原点、コンセプト、ストーリ、仕掛け、仕組み等がキーワードとして必ず現れてきますが、「適切な課題」発見力を養うベースにもなる「考える(考え抜く)こと」が最も大切であることは、これまで幾度となく述べてきました。
「現行の製品やサービスに不満はないか、その問いを適切に立てること」は、まさに原点に立ち戻ることとなり、この結果、考え抜くことによって従来と異なる発想が生まれ、創発や変革が始まるのです。
そして作り手(販売側)に感動や感激がなければ、買い手もそれを感じるコトは、まずないでしょう。
開発対象製品が家電を始めとした民生品なら、開発者自身が一般的なユーザにもなりますので、現行品に対する自問自答はしやすい環境にあると思います。
しかし、産業向けでは開発者が一般ユーザにはなれなく、適切な課題の発掘は難しい。
そこでマーケティング部門が中心となってこの自問自答を繰り返し、開発部門や営業部門とのコミュニケーションを密にする必要があります。
もちろん技術者が直接ユーザと会話することも大切ですが、一般論として、どうしても性能や機能といった技術論ばかりに耳が傾いてしまい、時には「結局、何しに来たの?」なんてユーザから怒られてしまうこともざらにあります。
実は私自身も新社会人時代の技術者だったころに、同じことをしてしまった苦い経験があります。
「適切な課題」は、何を以って適切かという点には正誤は無いと考えますが、時代やタイミングにも左右されることが多いと捉えています。
何年も温められたアイディアの実現やヒットは、こうして考え抜いた結果の賜物と言い換えることもできるでしょう。
一方、コミュニケーションも大切ですが、それは手段のため、考えた上での行動でなければ、人の邪魔になるだけです。
また、環境整備や改善は、経営陣の理解や予算、優先順位等の制約があり、一般的には時間がかかりますので、まずは個々からの行動が大切です。
時代や環境(ビジネスや市場)が変化しても、新しいビジネスや製品を生む仕組みは昔と変わらない点は、同意見です。
画期的な商品を生み続けるダイソンの根底(仕組みと仕掛け)を垣間見ることができた、非常に有意義な記事でした。
私も10年以上ダイソン製品を利用しており、最近では掃除機や送風機を購入し、今でも満足してこれらを日々使っています。
ところで本題から逸れますが、記事中に「先輩もこれだけ失敗したから、失敗を恐れるな」というメッセージの一つが込められているとのこと。
私も同感で、「若者は生意気なくらいな方がちょうど良い」、「生意気も立派な個性」、と自身の経験から思います。
何故なら、こうした若者は上記メッセージを実行に移してくれ易く、実際に失敗すると、次はもっと考えて工夫を凝らしてくることが多いと考えるからです。
あくまでも私見ですが。
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