2017-12-11
[0043] オンリーワンとNo1
前回と前々回ではシェアNo1について述べました。
今回はシェアNo1をもう少し掘り下げ、オンリーワンとの関連について述べたいと思います。
以前から述べていますが、毎年のようにシェア1位が入れ替わるような状況等でない限り、通常シェアNo2以下は、いきなりNo1を目指すべきではありません。
利益を増大させるためには、まず、オンリーワンを目指すことが重要です。
つまり、他社との差異化が最優先です。
そのためには、まずSTP(コラム[0012]を参照)を行い、身近な小さな地域でのシェアNo1を目指します。
そしてNo1条件のシェア40%を確保できたら、次に近辺の小さな地域でシェアNo1を狙う。
こうして一つ一つ小さな地域でのシェアNo1の獲得を積み重ねます。
一方、シェアや自社売上規模が3%や5%程度の地域は、利益の確保が難しく、もはや勝負がついていますので、当該地域の撤退も視野に入れながら再考し、リソースを集中させて立て直します。
全国進出を新たに目指す勢いがない限り、全国網羅を維持する時代は既に終わっているからです。
グローバルビジネスもしかりです。
ランチェスター戦略のABC分析といった具体的な検討方法もありますので、一度インターネットで検索して分析を試みるのも良いかと思います。
また、外資系企業ではしばしば用いてられている手法のようですが、ターゲット客先を距離や移動時間で区切る方法もあります。
<片道1時間以上かかる場所にあるお客様向け業務は行わない。>
(17年8月17日付 日経ビジネスONLINE記事)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/269655/080800031/
アフターサービスを含めた密接な関係の構築/維持や、ライバル企業の追随を許さない商品、そして何より自社内の移動時間削減や業務効率アップの効果が表れた。
また、取引先が同社を訪問する機会も増加し、顧客との信頼性向上にもつながったという効果も生まれたことです。
ただし、同記事でも述べられていますが、このような手法を採用するには、経営者の思い切った決断が必要になります。
一方、先日述べたような「ネスカフェアンバサダー」のようなビジネスモデルへの転換や、カスタマーセンター、遠隔サポート、AI等の各種対応でサービス提供を行う手法もありますし、商品の性格上、販売地域の絞り込みを行わなくても良い事業もあると思います。
自社の事業形態も改めて振り返って分析し、どのような対策が自身の事業にとって最適なのかを再考していけば良いと考えます。
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<関連コラム>
(1) [0041] シェアNo1製品には、どんなメリットがあるのか?
http://www.takumi-marketing.jp/column.cgi?id=43
(2) [0042] シェアNo1の数値的条件
http://www.takumi-marketing.jp/column.cgi?id=44
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