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コラム

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2022-04-14  [0199] 社会的問題の解決へ向けて

先月(3/21)の夜、経産省が東京電力管内を中心に電力需給逼迫警報を初めて発令したことは、皆さまの記憶にも新しいかと思います。
急な発令にも拘わらず、事業所だけでなく家庭も節電対策に協力した結果、大規模停電が回避されたことにはホッとしました。
また、23日の昼間には太陽光発電が全供給電力の30%を占めていた時間帯があり、その割合の大きさにもビックリしました。

今回は、同月16日に発生した震度6強の地震の影響による火力発電所の停止や、天候や気温の影響、国と電力会社による警戒態勢の一部解除によるものと言われていますが、問題の根底となる要因の1つに卸電力価格の高騰が挙げられます。

この高騰は20年12月から続いており、背景には液化天然ガス(LNG)の燃料不足と高騰、大寒波の到来、火力・原子力の各発電所のトラブルや定期点検による相次ぐ停止などがあるようです。
16年4月の電力の全面自由化(*1)で、新電力会社が一時期700社近くあった(*2)ようですが、この1年間で破産・倒産、事業撤退、新規受付の休止が急増し、ニュースでも話題になっています。

電気事業法には「最終保障供給制度」があるそうで、強制的に契約切り替えを余儀なくされた需要側を守る制度とのことですが、どこまで機能するのか?、電気難民が生まれる最悪の事態はないのか?と感じたりもします。

既存の発電所では、AIなども利用した運転効率アップも順次なされているようですが、稼働発電所不足や発電能力不足に加えて、燃料不足も更に加速され、当面はこの状態が続くと容易に想像できます。

もちろん、長期的には洋上風力発電や水素発電などで新たに電力を確保する動きはありますが、時間がかかりますので、この先何年かは電力不足の解消には至らないと推測できます。

くしくもここへ来て自由化へのチャレンジに対するリスクが表面化してしまっていますが、これはなにも電力に限った話ではなく、水道、ガス、携帯電話(通話やデータ通信)、道路等、重要な社会インフラについても同様のことが言えます。
待ったなしの様々な社会的問題が私たちのすぐそこまで、確実に迫ってきています。

例えば電気の場合、節電や低消費電力技術の開発も大切ですが、発電所や発電設備に関わるビジネスや技術の発展、自家発電設備の導入/拡充でもしない限り、事業継続や日常生活に支障が出てきてしまいます。
そもそも、停電中はほとんどの人が仕事をできない状況に陥ると思いますし・・・。

一方、電力供給が過剰になっても大規模停電になる恐れがあり、その際には電力会社が「出力制御」と呼ばれる再生可能エネルギーの発電量の調整を供給者へ一時的に求めることも、稀にあるようです。
季節や天候、需要側の事業所での稼働日次第で、電力が過剰状態に陥ってしまうためです。
実は先週(4/9-4/10)、一部の地域でこの「出力制御」が出されたそうです。

何かに対して批判や否定を述べているのでは決してありません。
確実に来るだろうこの巨大なリスクを、BCP(*2)のように「起こりうること」や「起きたとき」の対策ではなく、「回避する」或いは「未然に防ぐ」方法は本当にないのだろうかという模索を、「自分ゴト」に落とし込んで今一度真剣に考え直す機会が必要かと考えます。

つまり、「社会的問題をマーケティングで解決できないか?」ということです。
自社の強みと自社が保有する技術を、社会的問題に対してどうにかして活かせないか?についての問題提起を行うべく、今回のテーマに挙げました。

法規制や仕組みだとか、機関や組織などによる取りまとめとかの話だけではなく、個々自らが自発的に「何かできることはないのか?」という視点で改めて考えることを指します。
当然、現時点では、その答えを誰も持っていませんし、検討結果も千差万別になることでしょう。

システム構成やビジネスモデル、商流といったソフト面のみならず、技術や商品/部品といったハード面も非常に重要ですので、まずはマーケティング部門と技術開発部門が一同で考え、最終的には製販技とアフターサービスが一体となって総合的に解決していくことが、真の社会的問題の解決へとつながるものと考えます。

なお、海外への移転は、現在直面している地政学リスクやサプライチェーンなどのリスク観点から、得作ではないことは明らかでしょう。

先月末、とある企業が海洋温度差発電を洋上風力よりも安く、且つ早く実用開始するという明るいニュースもありました。
海洋エネルギーを使った発電は、現時点では固定価格買い取り制度(FIT)の対象外のようで、法整備や環境整備が必要とのことですが、これも新しい解決策の1つです。

それにしても近年、想定外の事案や規模に遭遇してしまうことが本当に増えたような気がします。
リスクが現実に起こってしまう、いわゆる「ブラックスワン・バイアス」や「楽観バイアス」には、要注意ですね。


*1: 95年に取り組みを開始し、段階的な法整備を経て市場開放がなされ、現在も改革が進行中。
*2: 20年9月時点
*3: 事業継続計画(Business Continuity Plan)。
  緊急事態時に事業資産損害を最小限に留め、事業活動の継続や早期復旧のために、
  平常時や緊急時における様々な対策をまとめた計画。


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