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2020-06-04  [0131] 適切な課題設定と、物事の本質の掴み方

過去のコラムでは、課題や問題の区別や解決手段について述べましたが、今回はこれらの一連プロセスを深掘りしたいと思います。

そもそも、課題に対して「適切」とか「設定」ってどういうことなのでしょうか。
例えばコラム[0046]で紹介したダイソンの扇風機を例に挙げた場合、他社比較ベースで開発を行うと、単なる「性能アップ」が課題となりがちです。
しかし、「より快適な送風体験」とすると、最終的に羽が不要になり、快適性に加えて独自性、性能や安全性等も向上できたということです。
つまり、同例でいう適切な課題とは、顧客の心理を深掘りして扇風機に対する本質に迫ったということになります。

逆に不適切な課題設定とは、他社比較をベースとした性能アップを指しますが、この切り口では独創性や差異化が難しくなるのみならず、顧客から見て余計な機能の追加による複雑さやコストアップや価格上昇へとつながるものの、価格を含めた単なる競争、つまり体力勝負に陥ってしまいます。
なお、同記事では課題と問題の定義が混同して分かりにくい箇所がありますが、課題と問題の区別については、コラム[0106]を参照ください。

一方、物事の本質の掴み方って、どういうことでしょう。
本質とは、「そのものの特徴となっていて、それ抜きにはその存在が考えられない、大事な性質や要素」と辞書では記述されていますが、私は「最も重要な根底を表す事柄」と解釈しています。

上記のダイソンを例に挙げれば、扇風機の本質として、「より快適な送風体験」を挙げています。
これがもし、回転数、パワーアップ、静音等、機能や性能ばかりに目が行ってしまうと、それは供給側の自己満足(単なる数値上の仕様アップ)にしかつながらず、結果として顧客は自ずと離れます。

この点についてご興味のある方は、例えば、アイリスオーヤマの「なるほど家電(R)」をベンチマークに、代表的な家電メーカ商品との比較をすると、同社が実践している適切な課題設定や物事の本質に関する「気づきや学習」が得られることと思います。

では、これら一連のプロセスを正しく確実に行うための5つのステップを紹介します。

(1) なぜ? (Why?)
全ては「素朴な疑問」から始まります。
改めて考え直すテーマを選定する意味で、どんなことに違和感を覚えるのかを、これまでの固定観念、常識、慣例、習慣、ルール、現在の手法等に対して、まずは疑問を持ってみましょう。
「違和感」をもつセンスが大切です。

(2) そもそも? {What at all? (*1)}
上記でテーマが定まりましたら、違和感を覚える理由を5-WHYを用いて、最低3回「なぜ?」を繰り返して深堀りしてみましょう。
すると、物事の「原点や本質」にたどり着けます(コラム[0020]参照)。

(3) それで? (So what?)
原点や本質が把握できたら、それが選定テーマに対してどのような意味を持つのかを「問い」、現在表面化している問題に加えて、見えにくい課題を発掘します。

(4) なぜ、まだ? (Why not yet?)
このステップでは真の「原因や要因」を抽出する最も重要な箇所で、上記(3)の課題が「なぜこれまで行動や対策を取って来なかったのか」を考え直すことになります。
おそらく、社内/自業界での慣例や過去の実績、既成観念、解釈の相違、価値観、文化等の理由といった、ある意味「自分で自分の首を勝手に締めている」ことが多いのではないでしょうか。
これは「イノベーションのジレンマ」と同じで、変化や成長を阻害するリスクの高い、危険な状態です。
もし、破壊的イノベータ(コラム[0124]参照)が、これらの要素を度外視して参入してきたらどうなるかを併せて想像すると良いかと思います。

(5) どうやって? (How?)
真の原因や要因に対する「改善や解決の手段」を模索して行動に移します。
ここではHow treeを使って具体的な行動を抽出しますが、発想を高める機会であることを念頭に置いて、以下の3点について注意しながら検討します。
(a) 重要な箇所からHowを掘り下げること
(b) 当該箇所のHowは、1つ上層のHowに対する具体的な解決策であること
(c) 漏れを極力無くすこと(MECE) (コラム[0130]参照)
重複は後で削除すれば良いですが、抜けがあると行動や対策を誤ったり不十分だったり、或いは後戻り作業が発生します。

なお、How treeのメリットは、全体の俯瞰ができること、意思決定の質向上、そして論理性の鍛錬ができることです。

以上、今回は「適切な課題設定と、物事の本質の掴み方」に対する5つのステップを紹介しましたが、この一連のプロセスを習慣化させると、短時間で正しい方向へ進むことができるようになりますので、是非、一度トライしていただければと思います。


*1: in the first placeの方がより適切な表現かもしれませんが、5W1Hを用いた簡単な表現をすべく、What at all?としました。

<ご注意>
本コラム記載内容は、マーケティング活動の発展を主眼としており、固有企業の推奨や宣伝を行っているものではありません。
また、本コラム記載内容は、発信日時点の情報です。
以上をご承知ください。

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<関連コラム>
(1) [0046] 課題の発掘力と探求力を養うことの重要性
  http://www.takumi-marketing.jp/column.cgi?id=48

(2) [0106] あなたのお困り事は?
  http://www.takumi-marketing.jp/column.cgi?id=109

(3) [0020] なぜ、ナゼ、何故?
  http://www.takumi-marketing.jp/column.cgi?id=21

(4) [0124] ルールメイカーやルールチェンジャーになろう
  http://www.takumi-marketing.jp/column.cgi?id=128

(5) [0123] 目的と手段の区別
  http://www.takumi-marketing.jp/column.cgi?id=127

(6) [0130] フレームワークを活用する理由
  http://www.takumi-marketing.jp/column.cgi?id=134
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