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コラム

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2020-05-07  [0129] ニューノーマルへの変革

新型コロナによる経済への打撃が深刻化しており、弊社も例外なく影響を受けていますが、特に経営者の方々は、今日明日のための危機回避対策で日々奮闘されていることと思います。

人は見えないことに不安を覚えるため、苦しいときにはまずゴールをイメージし、そこから逆算して現在を見つめて直していくと、不安を乗り越えやすくなります。
ですので、新型コロナの収束後からまずは年度末までの期間で、どのようにリカバリをしていくのかについても、準備を始めなければなりません。

例えば簡易試算ですが、産業機器製造業の場合、仮に新型コロナ前の通年平均として売上高指数を100、粗利30%、労働分配率50%(*1)、営業利益率5%の状況下とした場合、3ヶ月間の売上高をゼロ(*2)、営業利益率0%とすれば、収束後以降の粗利率を3%以内に抑えることができれば、人件費20%減と何とか雇用維持ができる可能性があると算出できます。

つまり、この試算で最も重要な点は、
「収束後は、打撃前の粗利率から3%減以内に抑えることが、雇用維持の可能性に直結する」
と捉えることができ、各JOBでの値引率管理がカギを握ることになります。

もちろん、上記試算では売上高を指数で算出していることや、借入金の支払い、保有現金量、年度の区切り等の考慮を外していますので、具体的には自社状況と照らし合わせる必要があります。

一方、最近「ニューノーマル」という言葉を経済ニュースで頻繁に出てきています。
中国向け事業を展開されている方はご存じと思いますが、中国政府では「新たな常態への転換」を意図して14年から使用している言葉です(*3)。

では、このニューノーマルに対してどのような検討を行っていくべきなのでしょうか。
一言で言ってしまえば「デジタル化の加速」となりますが、もう少し深掘りしてみたいと思います。

まず、今回大打撃を受けたバリューチェーンや4P、その他の各分野を例にリストアップし、各々の対策候補を記載してみます。
()内が一般的な対策かと思います。

バリューチェーン: 購買物流と出荷物流(調達と4P流通を参照)、製造(生産の構えの見直し、IoT利用のデジタル化)、
          マーケティング(強化)、サービス(提供方法見直し)、その他支援活動(労働生産性参照)、
          調達(セカンドソース確保、一国依存からの脱出)
4P:        商品(新商品発掘やIoT化)、販売(顧客とのコミュニケーションのデジタル化)、
          価格(値引き抑制)、流通(経路見直し、協力会社間コラボ、オムニチャネル構築)
その他:      労働生産性(下記参照)、BCP(*4)(構築/見直し)、在庫(部品/製品の適正保有数見直し)、
          ビジネスモデル(販売から利用への移行) 、環境対策(操業での各種汚染対策)等

また労働生産性では、テレワーク(IT化の加速)、仕事の取捨選択(メリハリ化)、費用見直し(過剰消費対策)、会議減(会議数、参加者、時間の見直し)、電子化の加速等が挙げられます。
更に、人間にしかできない仕事以外は、AIを積極的に活用するのも一つの手かと思います。

以上のようなリストアップした項目に対し、ダメージが大きかった順に優先順位を決めて、先を見据えた対策を施しますが、事業関連ではこれを機に「マーケティング機能強化」を図るべきと捉えています。

まずは、マーケティングの基本となるSTP(細分化、絞り込み/狙い撃ち、ポジショニング)と現状把握のための分析を行った上で、対策を検討します。
また、併行して事業構造見直し、値引き抑制(特に対デフレ対策)、新ビジネスモデルの構築模索(リカーリングやサブスクリプション)も高優先順位に挙がりますが、顧客の心理変化にも注目が必要です。

更に経営者或いは経営陣だけでの検討は、「絵に描いた餅」、しかも「密室で」になりがちですので、自分ゴトとして即行動へと移すためにも従業員からのボトムアップ方式が重要です。

なお、上記検討にあたり、課題/問題の区別と解決手段についてはコラム[0106]、リスクの性質分類と対処方法はコラム[0105]、目的/手段の区別はコラム[0123]をそれぞれ参照ください。
いずれのキーワードも正しく設定/定義しないと、誤った方向へ向かいやすくなります。

また、新常態への変革行動がテーマですので、「それを新たに実行することで、どんな障害や問題が生じるのか」といった問いを中心に固定観念を捨て、斬新なアイディアを肯定的且つ尊重してチャレンジすることが重要と考えます。

まさかウイルスで世界経済がこれだけ急降下するとは、ほぼ誰も予測できなかったと思いますが、10年に一度は何らかの有事が起こることを鑑みれば、有事は意外と高い確率で起こる(ブラックスワンバイアス)ものと捉え、「変化に強くなる」ための行動が今後の持続的発展実現へのキーワードになります。

今回は、新型コロナ以降のニューノーマルへの変革について、マーケティング機能強化の必要性を軸に述べました。


*1: 労働分配率: 生産効率指標とも呼ばれ、「労働分配率=人件費÷粗利額」で算出される。
*2: 月別売上高をリニアと仮定すると、年間ベースで25%減という計算。
*3: 危機の前後で生じた避けがたい構造的な変化を経て、「新しい常態・常識」が生じているという認識を示す表現。
  ITバブル崩壊の03年ごろに米国で生まれ、リーマンショック時に経済界等で新概念として流行した言葉。
  日本語では「新常態」、「新たな常態・常識」、「新しい正常」等と訳されている。
*4: 事業継続計画(Business Continuity Plan)。
  企業が災害等の緊急/非常事態下に陥った際でも、中核事業を継続できるための戦略を定めた計画。

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<関連コラム>
(1) [0106] あなたのお困り事は?
  http://www.takumi-marketing.jp/column.cgi?id=109

(2) [0105] リスクの性質4種と、対処方法の4種
  http://www.takumi-marketing.jp/column.cgi?id=108

(3) [0123] 目的と手段の区別
  http://www.takumi-marketing.jp/column.cgi?id=127


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