2020-01-23
[0121] とりあえず100個アイディアを出してみよう
皆さまも仕事でアイディアを出さなければならないことがあると思いますが、その際に「とりあえず100個出してみよう」と言われたらどう感じますか?
私のようなコラムの執筆で自ら出そうと思うような方は別ですが、他人から言われると絶句するのではないかと思います。
ところで、なぜ「とりあえず100個」なのでしょう?
今回はこのあたりを深掘りしたいと思います。
例えば、新ビジネスのアイディアを検討する場合、最初の10個とか20個は大抵誰かが既にそのビジネスを展開しています。
初めに思いつくアイディアは、誰でも思いつくものがほとんどだからです。
50個あたりで一度挫折してしまいそうな苦しみを味わいますが、それでもまだまだ誰でも思いつくような段階です。
80個、90個あたりで、もうネタが尽きたと半ば諦めを感じるところから実は勝負が始まるのですが、何とか100個出せてもそのうちの1つでもモノになるかどうかは、実際にやってみないと分かりません。
一方、「1000に3つ」とか「千三つ」という言葉がありますが、辞書で調べてみると、「千のうち三つしか商談が成立しない意」とあります。
同様に、工場での災害防止教育で出てくるハインリッヒの法則(*1)も千三つと関係しているようですが、これらは統計学の「68–95–99.7則」の3σ(シグマ: 標準偏差)と似ているように見えます。
いずれにせよ当該確率は333個に1個と計算できますが、抽出したアイディアが成功する確率も同じと仮定すると、一人またはグループで少なくとも300個強出さなければなりません。
途方に暮れてしまいます。
ですが、人は見えないことに不安を覚えるものですから、苦しい時にはまず、ゴールをイメージしてそこから逆算して現在を見つめて進んでいくと、意外と不安を乗り越えやすくなります。
ちなみにこの考え方は、「タイムマシン法」と呼ばれるフレームワークでの考え方と同じです。
以上のようなことから「とりあえず100個」という言葉につながっているものと考えます。
なお、一度でもこの「とりあえず100個」のアイディアを出せるようになると、私自身の経験からも次回以降は比較的楽に出せるようになります。
つまり、これも訓練次第で乗り越えることができるという、慣性のようなものだと捉えています。
今回は少したわいのない精神論的なお話をしましたが、皆さまも一度公私問わずに試してみてはいかがでしょうか。
ところで話が逸れますが、このコラムを書いていたときに、とある記事を思い出しましたので、紹介します。
100の中から1つを選ぶときのコツだそうですが、記事に掲載されているような人の人生に関わる案件で本当に利用してもよいのかどうかは迷いますよね。
<100人から"優秀な1人"を確実に選ぶ方法>
(19-7-4付 PRESIDENT Online記事)
https://president.jp/articles/-/29101
*1: 重傷災害 1件の裏には、29件の軽傷災害と、300件の無傷害事故(ヒヤリハット)があるという経験則。
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<関連コラム>
[0109] マーケティングでNo Ideaは罪!
http://www.takumi-marketing.jp/column.cgi?id=112
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